ソニー・ピクチャーズとMGMの映画007シリーズ共同製作・配給契約が『007/スペクター』後に終了へ

Variety(2015年6月2日付)はソニー・ピクチャーズの、MGMとの映画007シリーズ配給契約が、最新第24作『007/スペクター』を最後に終了すると伝えています。

次の『Bond 25』(第25作)配給スタジオとしては、トップ同士(MGMのゲイリー・バーバー会長とワーナーのケヴィン・ツジハラ会長)が親しい間柄であること、共同製作の『ホビット』シリーズをヒットさせた実績があることなどから、ワーナー・ブラザースを有力視する向きがあるようです。

ソニー・ピクチャーズ・モーション・ピクチャー・グループ会長のトム・ロスマンは、007シリーズの配給契約をめぐって複数のスタジオ間で激しい争いが起きることを認めつつ、ソニーがこの競争に再び参戦することを明らかにしています。

映画007シリーズの著作権は米国企業DanjaqとMGMが共同所有。MGMは同シリーズを単独で製作するスタジオでしたが、2004年にソニーが投資会社と組んでMGMを買収した後は、ソニー・ピクチャーズとMGMが共同製作(出資)・配給契約を結び、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)と『007/慰めの報酬』(2008)をリリース。その後MGMがソニーの手を離れ2010年に破産法の適用を受けると、MGMは積極的に各社と作品ごとの共同製作契約を結ぶようになります。そこでソニーは再びMGMと契約を結び『007/スカイフォール』(2012)を共同製作・配給。2012年の報道(Deadline.com)では、『Bond 24』(『007/スペクター』)だけでなく『Bond 25』もソニーが参加するとされていました。

ソニー・ピクチャーズは、手がけた007映画3作品がいずれもヒット。『007/スカイフォール』では世界興収11億ドル突破の実績があります。また、Danjaqと制作会社イオン・プロダクションのトップでプロデューサーであるブロッコリ・ファミリーとも良好な関係を保っていると見られていました。しかし2014年にソニー・ピクチャーズはサイバー攻撃を受け、『007/スペクター』の脚本を含む様々な情報が漏洩し、社会問題に。プロデューサー側とも親しかったスタジオ・トップのエイミー・パスカル共同会長が退任する結果をも引き起こしました。現状で、ソニー・ピクチャーズを取り巻く環境はかなり厳しいと言わざるを得ません。