映画007シリーズ製作会社を3度売買したカーク・カーコリアン氏が死去

複数の米メディアによると、アメリカの投資家カーク・カーコリアン氏が2015年6月15日、ビバリーヒルズの自宅で亡くなりました。98歳でした。

カーク・カーコリアン氏は1917年カリフォルニア州生まれ。航空業と不動産業で財を成した後、1969年に映画会社MGMを初買収。この当時のMGMは映画007シリーズと無縁のスタジオでしたが、1981年に007シリーズ製作会社であるユナイテッド・アーチスツ(ユナイト=UA)を買収、2社を合併させMGM/UAを形成、その実質的なオーナーとなります。

1986年、カーコリアン氏はMGM/UAをテッド・ターナーに売却しますが、その数ヵ月後、財務問題を抱えていたターナーからMGMの商標や一部資産とユナイトを買戻すことに。この結果、カーコリアン氏の手に戻った後もMGM/UAの社名は存続しますが、MGM旧作の権利は失います。一方で、007シリーズ、『ロッキー』、『ピンクパンサー』等のユナイトのライブラリーが手元に残ることになります。

1990年にはMGM/UAをイタリアの投資家ジャンカルロ・パレッティに売却。しかし1992年、クレディ・リヨネが多額の債務を抱えていたパレッティからMGM/UAを取得(社名はMGM/パテに変更)。そしてカーコリアン氏は1996年、クレディ・リヨネからMGM/UAを再買収します。なお、MGM/パテ時代は007シリーズ放映権などを巡り、同シリーズ著作権管理会社のDanjaqから訴えられることになり、カーク・カーコリアン氏をも巻き込んだ裁判が続いたため、1989年の『007/消されたライセンス』から1995年の『ゴールデンアイ』まで、6年間の空白期間が007シリーズに生じる原因ともなりました。

2005年、カーコリアン氏はMGM/UAをソニー率いる企業連合に売却、終にMGMを手放します。この間、007シリーズ製作においては、2002年の『007/ダイ・アナザー・デイ』から次回作『007/カジノ・ロワイヤル』が封切られるまでに4年間を要することに。MGMは2010年に一旦破産法の適用を受けた後、債権者らによって経営が続けられることになり、今日に至ります。

カーコリアン氏はMGM買収により、その商標をラスベガスのカジノ事業で活用したことでも知られています。

参照
Kirk Kerkorian, Three Times the Owner of MGM, Dies at 98 (The Hollywood Reporter, 2015年6月16日)
Kirk Kerkorian Dies: Former MGM Owner Was 98 (Deadline, 2015年6月16日)
007 Producer Fires Legal Salvo At MGM (Variety, 1991年2月17日)
Kirk Kerkorian, Wheeler-Dealer Who Owned MGM Three Times, Dies at 98 (Variety, 2015年6月16日)
How Kirk Kerkorian Gambled Big and Changed Entertainment (Variety, 2015年6月16日)