『007 Elements』(007エレメンツ)は映画007シリーズのインスタレーション。『007/スペクター』ロケ地となったオーストリア・チロル州ゼルデン(ソルデン)のガイスラッハコーゲル、標高3,040メートル地点にあるレストラン「ice Q」に隣接する形で新たに恒常施設が建てられました。
「ice Q」はプロダクション・デザイナーのデニス・ガスナーらがロケハンで探し出したもので、劇中に「ホフラー・クリニック」として登場。ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ、ボンド・ガールのレア・セドゥ、悪役を演じたデイヴ・バウティスタらがロケに参加。屋内シーンはガスナーによってパインウッド・スタジオで組まれたものですが、屋外は現地にて撮影。麓から山頂へと伸びるロープウェイの中間駅では、Q役ベン・ウィショーがゴンドラに乗るシーンもロケ撮影されています。
『007 Elements』制作に加わったのはイオン・プロダクション、MGM、そしてロープウェイ運営会社 Bergbahnen Sölden。建物の設計は、ゴンドラのデザインも手がけた建築家ヨハン・オバモザーによるもの。インスタレーションのコンセプト・デザイン担当は、『Bond 25』を含めたダニエル・クレイグの007映画全作品でアート・ディレクターを務めるニール・カロウとドイツ出身のティノ・シェードラー。
色彩を抑え気味のこの建物は、初期の007シリーズでプロダクション・デザイナーを務めたケン・アダムの仕事にインスパイアされ、9つの部屋とプラザで構成。永久凍土への影響を避けるため、内部は摂氏1度に保たれています。施設では映画007シリーズの世界観や舞台裏が体験可能。特に『007/スペクター』に焦点を当てています。なお、このインスタレーションは常設で、終了時期は未設定。写真撮影は自由となっています。
バレル・オブ・ザ・ガン Barrel of the Gun
『007 Elements』への入口。007映画のタイトル・シークエンスと音楽が楽しめる。

プラザ Plaza
オープン・エアの広場。山のパノラマ風景を眺めることができる。
ロビー Lobby
007映画に登場する敵の本拠地を思わせる空間。サム・メンデス監督による解説で、『007/ドクター・ノオ』から『007/スペクター』まで、007シリーズの歴史を紹介する。


レアー Lair
007映画のキャラクターや台詞が学べるデジタル・シアター。





ブリーフィング・ルーム Briefing Room
マネーペニー役のナオミ・ハリスによる特別解説で、ロケ地選定の舞台裏などを明かす。特に『007/スペクター』のオーストリア・シーンに焦点を当てる。




ヴァレー・パッセージ VALLEY PASSAGE
『007/スペクター』の撮影が行われたエリアが眺望できるスペース。

テック・ラボ Tech Lab
007映画に登場した秘密兵器などの技術をインタラクティブに体験できる。



アクション・ホール Action Hall
007映画の特殊効果やスタントについて学べるエリア。

スクリーニング・ルーム Screening Room
『007/スペクター』のオーストリアでのアクション・シーンの舞台裏を上映。

レガシー・ギャラリー Legacy Gallery
007シリーズの画像ファイルがタッチ・スクリーンで呼び出せる。限定販売の007関連グッズが購入できる。
『007 Elements』概要
オープン日:2018年7月12日
入場時間:毎日9時から15時30分、閉場16時
入場時間帯:9時から11時、11時から13時、13時から15時30分(どの時間帯でも16時まで滞在可)
開場期間:夏季は2018年7月12日から9月30日、秋・冬は10月26日から2019年5月1日
入場料:大人22ユーロ、ユース(1999年から2003年生まれ)17ユーロ、子ども(2004年から2010年生まれ)12ユーロ(ロープウェイ代込みの券はそれぞれ54、49、30ユーロ)
入場券販売所:オンライン、ロープウェイの麓と中間駅で販売中(頂上駅=会場前での販売は2018年9月より)
場所:オーストリア・チロル州ゼルデンのガイスラッハコーゲル
アクセス:ゼルデンの麓からロープウェイで山頂駅下車、所要時間約30分(中間駅での乗換含む)
公式サイト:007elements.com
External photo courtesy: Christoph Nosig/007 ELEMENTS
Internal photos courtesy: Kristopher Grunert/007 ELEMENTS
Special thanks to 007 ELEMENTS
7/23追記:本文中のクリニック名を修正しました(「ホフマン」から「ホフラー」)。