映画007シリーズ公式サイト 007.com(2018年8月21日付)は、イオン・プロダクションのプロデューサーであるマイケル・G・ウィルソンとバーバラ・ブロッコリ、及びボンド俳優ダニエル・クレイグらの連名で、ダニー・ボイルがシリーズ次回作『Bond 25』の監督の降板を決定したと発表しました。詳細は不明ですが、「創造上の相違」が原因とのことで、最終的にはダニー・ボイルが決断した模様です。

新監督の名前は発表されていません。

ダニー・ボイルの『Bond 25』監督就任は5月に正式発表。12月から撮影開始、劇場公開はイギリスで2019年10月、アメリカでは同年11月と既に決定済みでした。しかし、公開まで14ヶ月を切った段階で監督が突然降板したことで、このスケジュールに遅延が生じるものと思われます。

ダニー・ボイルは以前から007には興味を抱いていた様子で、『007/スカイフォール』(2012)と『007/スペクター』(2015)ではプロデューサーから監督の誘いもあったとされています。しかし、巨額予算を投じた大作映画は肌に合わないことを理由に度々辞退。また、ボイルはロンドン五輪開会式で芸術監督を担当し、女王陛下と007の演出を手がけた際には、007映画に関する「素晴らしいアイディア」を発案したと伝えられていました。

次回作『Bond 25』では、プロデューサーの依頼で監督就任を待たずにニール・パーヴィス&ロバート・ウェイドが共同で脚本を執筆。この脚本が出来上がった後のタイミングで、ボイルへ監督のオファーが再び入ったようですが、ボイルはジョン・ホッジが作る新脚本の採用を条件に、そのオファーを受諾した模様です。

ボイルとホッジによる新脚本は、これまでの007映画とは非常に異なる作風で、当初はダニエル・クレイグがボイルのアイディアを積極的に支持、プロデューサーがそれを追認していたことが伝えられています。クレイグは主演俳優ですが、制作陣の一人としても活動中で007映画の制作に絶大な発言権が認められています。今回の降板劇の背景として、『Bond 25』の制作準備を進める中で、ボイルと彼の支持者であったクレイグとの間に意見の衝突が生じた可能性が考えられます。