Pinewood Groupは2019年9月8日、ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニーと長期契約を結んだと発表しました。契約内容には、バッキンガムシャー州にあるパインウッド・スタジオ内の全てのステージ、バックロット、その他の制作施設が含まれます。
Variety(9月8日付)によると、この契約ではディズニー社がパインウッド・スタジオ内の施設を占有できる模様。契約期間は2020年から2030年頃までのようです。
パインウッド・スタジオは007シリーズのホームとして知られ、イオン・プロダクションは第1作『007/ドクター・ノオ』(1962)からほとんどの作品でこの撮影所に拠点を置き、007映画を制作してきました。他作品によるブッキングが理由で止むを得ずパインウッドを離れた例外的な作品としては、リーブスデン飛行場に本拠地を設けた『007/ゴールデンアイ』(1995)があります。
今回の契約により007映画は向こう十年間、パインウッド以外で制作するか、もしくはディズニーに使用料を払って、スケジュールの空白時期にスタジオ施設を借りることになるかもしれません。
なお、イギリスにおける映画・テレビ業界は近年活況を呈しており、その制作スペースの獲得は熾烈な争いに。施設がブッキングできず、イギリスでの制作を断念するケースもあるようです。この為、パインウッドやその傘下のシェパートン・スタジオでは拡張計画が進行中。ロンドンのバーキング・アンド・ダゲナム区では新規撮影所の設立計画が持ち上がっており、イオン・プロのバーバラ・ブロッコリもこれに賛同しています。