British Vogue(2020年3月6日付)は、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にノーミ役で出演しているラシャーナ・リンチとのインタビューを掲載しています。

ラシャーナ・リンチはジャマイカ出身の両親の元、ロンドンで誕生。3人きょうだいの末っ子。家ではジャマイカの言葉や規律が使われたとのことで、イギリス人としての自覚は家の外でしか持てなかったそうです。

リンチがバーバラ・ブロッコリからの電話を受けたのは1年前。彼女がプロデュースを手掛けたロンドンの舞台『Ear for Eye』の出演を終えた直後だったとのこと。作品名は伏せられたまま、リクエストに応じてオーディション・テープを送ったそうですが、返事がきてミーティングに参加することになったのは、その数ヶ月後。

その時にようやく『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のオーディションだったことに気づきますが、脇役か重要な役なのかまだ分からなかったとのこと。

リンチが演じるノーミは主要な役で、MI6のダブルオー・エージェント。現役を退いていた先輩のジェームズ・ボンドへ物事を教える立場のようです。

脚本家フィービー・ウォーラー=ブリッジには、リアルな問題を抱えながらも、仕事を立派にこなす女性を演じたい、との要望を出したとのこと。ノーミが生理中との設定をウォーラー=ブリッジへ提案し採用されたようです。

ダニエル・クレイグがボンドとして最後のシーンを演じた際、リンチは母親をスタジオに呼んで見学してもらっていたとのこと。クレイグはそこで20秒ほどの感謝スピーチをしたそうです。

ハリウッドにおける多様化にはまだまだ満足しておらず、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』後もこの流れが続いて欲しいとのこと。主役がブラックであることに誰も騒がなくなる日が来ることを望んでいるそうです。