『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のプロダクション・デザイナー、マーク・ティルデスリーが同作のセットについて語る動画がYouTube(2020年5月10日付)で公開されています。
ティルデスリーは『28日後…』などダニー・ボイル監督映画5作の美術担当。ロンドン五輪開会式の演出にも協力し、女王陛下と007の起用をボイルに提案しました。
ボイルが監督の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、ティルデスリーらがパインウッド・スタジオの007ステージ内でロシア製ロケットのセット作りを進めていたとのこと。設定上のサイズは100メートル長だったようです。また、カナダの山頂ではロシアの収容所建設の計画も進行していたそうです。しかし、ボイルの監督辞任後は、どちらのセットも不要になった模様。
また、ティルデスリーは同作撮影中に007ステージで起きた爆発事故を目撃。セットで計画された爆発を起こした際、爆風が計算違いでコンクリートに跳ね返って天井へ向かい、屋根の一部を吹き飛ばしてしまったとのこと。ただし、火災には至らなかったそうです。
MI6内にあるMの部屋のセットは、過去作のものを使ったとのこと。伝統の革張りドアも使用されていますが、色はブラウンに変えたそうです。壁に掛けられた絵画は旧作から使われているものの他に、M役レイフ・ファインズの意見を採り入れ新しい絵画も飾ったのだそうです。
なお、ボイル監督の筋書はロシアとの新冷戦を描いているとの噂がありました。キャリー・フクナガ監督の就任後は脚本の刷新が報じられていますが、悪役サフィンはロシアや日本と関係が深いことや、舞台の一部はロシアであることが明らかになっており、ボイル案の影響がある程度残ったようです。