The Wall Street Journal(2020年10月11日付)によると、映画007シリーズを製作配給するMGMは、複数企業と売却の交渉に入っているとのことです。
ここ数ヶ月間に渡って交渉している相手は、Amazon、Apple、コムキャスト、Facebook。
現在、MGMを実質的に所有しているのはヘッジファンドなどの投資企業群。最大株主はAnchorage Capital Groupで、そのCEOがケヴィン・ウルリッチ氏。同氏はMGM持株会社の取締役会トップも務めています。
ウルリッチ氏はシリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』がMGMの資産価値を高めてくれると期待。同作は今のところ2021年4月の公開予定となっていますが、その公開前にもMGMを売却することを検討しているようです。
ユニバーサル・ピクチャーズはMGMの代理で同作の海外配給を担当していますが、売却先の意向次第で、別企業に交替になる可能性もあり得るとのこと。なお、ユニバーサルはコムキャストの傘下企業。
MGMのゲイリー・バーバー氏はCEOの任期途中で突如ウルリッチ氏から解任されていましたが、その理由は、2018年にAppleと売却交渉を60億ドル超の条件で交渉をしていたからだったそうです。その時の交渉は解任後に決裂したとのこと。ウルリッチ氏は、もう2〜3年たてば、MGMを80億ドルで売却できると主張。
2016年にはウルリッチ氏了解のもと、中国企業が約80億ドルで買収しそうになりましたが、中国政府側の政策によって、その計画は頓挫したとのことです。