映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が劇場未公開のまま、デジタル配信される可能性が囁かれています。
コロナ禍で劇場公開が2度延期された『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。現時点での劇場公開時期は2021年4月の予定となっています。
Drew McWeeny氏のツイート(2020年10月22日付)によると、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の配信権を巡って、凄まじい金額のオファーが複数入っている模様。また、同作の権利をストリーミング企業に売り渡すよう、MGMに対するプレッシャーが高まっているとのこと。買い手としてApple TV+やNetflixなどの企業名も挙げています。
McWeeny氏は批評家、脚本家などとして活躍。『Ain’t It Cool News』でも活動していた人物で、現在も独自に映画関連ニュースを発信中。
COVID-19流行の影響で、MGMを含むスタジオ各社は映画の劇場公開を飛ばして自社運営や他社のストリーミングに掛けさせていますが、007シリーズはMGMの握る最強コンテンツであり、最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の予算は2億5千万ドルとされています。半世紀以上に渡って世界中の観客が楽しんできた007映画のシアター・エクスペリエンスを今作で奪うのは、考えにくい判断です。
なお、The Wall Street Journalは先日、AmazonやAppleなどがMGMの買収交渉を続けている旨を報道していました。
10/24追記
Drew McWeeny氏は自身のサイトFormerly Dangerous(10月23日付)に追加情報を掲載。ここ10日間ほどで6人以上からMGMとApple、Netflixなどが007映画配信について交渉している旨を聞かされたとのこと。Appleのオファー条件は1年間の独占先行で、金額は6億ドル以上であることを示唆しています。また、007シリーズ全体を含むのか、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』だけなのか詳細は不明としています。
10/24追記
Bloomberg(10月23日付)も、匿名希望の事情通から得た情報として、MGMがAppleやNetflixと『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』配信について内々の協議をしたと報道。MGM側はこの件について肯定も否定も避けたようですが、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を売るつもりはないと語ったようです。なお、AppleとNetflixは一切のコメントを拒否。Amazonは現時点で同作の権利取得交渉をしていないとコメントしたとのことです。
10/24追記
ファンサイトMI6-HQ(10月23日付)が得たとする情報によると、MGMとAppleやNetflixなどが交渉しているのは北米限定の配信権とのこと。そのオファー額は2億ドルからスタートし、現在は2億5千万ドル近くにまで引き上げられているそうです。なお、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の劇場配給は北米がMGM(ユナイト)、海外市場はユニバーサル(日本はユニバーサルから委託されている東宝東和)と役割分担されています。
10/25追記
Variety(10月24日付)によると、複数の競業他社から交渉の情報が入ったとのこと。MGMの希望価格6億ドルがストリーミング会社にとって高すぎたとし、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のパートナー各社も劇場見送りには納得がいかないだろうと指摘。MGMは、2021年4月に観客へ劇場体験を提供したい旨をコメント。なお、コロナ禍での『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』公開延期によるMGMの損失額は3千万から5千万ドルと見られているようです。