Deadline(2020年10月24日付)によると、MGMは映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の劇場公開見送りを検討し、ストリーミング企業と9月に配信契約の交渉をしていたようです。

2020年11月の劇場公開予定でマーケティングも進んでいた『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ですが、10月上旬になり、2021年4月への延期が発表されました。

MGMはその発表直前の9月末頃、劇場公開を見送って、PVODも含めた配信を検討し、Netflix、Apple、Amazonらと交渉をした模様。

MGMが提示した条件は1年契約で6億ドル。しかし、各社とも3億ドル以上は払うつもりがなかったとのこと。Deadlineは正式な契約交渉ではなく、あくまで予備的な協議だったとも伝えていますが、イオン・プロダクションのバーバラ・ブロッコリが配信計画に反対したこともあり、各社との交渉は既に終了しているようです。

また、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の世界興行収入は10億ドル以上が期待されており、これを低条件の配信によって見逃すには惜しいとの判断もあった模様。海外配給をユニバーサルに委託していることや、ブランド各社との協力関係も事を複雑にしており、直配信へのハードルは高かったようです。

なお、多くの関係者が、2021年4月の劇場公開は無理だろうと予測している模様です。


10/25訂正
初出時の「イオン・プロダクションのバーバラ・ブロッコリが配信計画に反対したこともあり」を削除し、より適切な記述に変更しました。

10/25訂正
バーバラ・ブロッコリに関する記述を削除し、一部追記しました。

10/25訂正
バーバラ・ブロッコリに関する記述を初出時点に戻し、「Deadlineは正式な契約交渉ではなく、あくまで予備的な協議だったとも伝えていますが」の一文を追加しました。