映画007シリーズ公式サイト(2020年12月22日付)は、最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を含めたシリーズ8作品でオープニングのタイトル・シークエンスをデザインしているダニエル・クラインマンが選んだトップ5のタイトル・シークエンスを、当人のコメント付きで紹介しています。
『007は二度死ぬ』(1967)
ダニエル・クラインマンの一番好きなタイトル・シークエンス。理由は日本的イメージが使われているため。傘が生み出すパターンやゲイシャと火山の色使い、ナンシー・シナトラの主題歌も素晴らしいと評価。デザイナーはモーリス・ビンダー。
『007/ゴールドフィンガー』(1964)
デザイナーはロバート・ブラウンジョン。ボディに映像を投射する手法がお気に入りとのこと。セクシーでクラシックだと評価。
『女王陛下の007』(1969)
デザイナーはモーリス・ビンダー。「時間」がテーマになっていると指摘。ハロルド・ロイド風の時計や、イメージが砂時計で落ちていく様子は過去作の出来事を伝えており、独創的と評価。
『007/スカイフォール』(2012)
デザイナーはダニエル・クラインマン本人。このタイトル・シークエンスはジェームズ・ボンドの頭の中の出来事を表現。ボンドが死後の世界にいるかのように、観客に思わせています。この頃から多くのスタッフが関わるようになり、自分の思い描くスタイルを貫くには注意が必要になったようです。
『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)
デザイナーはダニエル・クラインマン。カード(トランプ)のイメージが使われていますが、これはイアン・フレミングがデザインした初版本カバーからインスピレーションを得た模様。当初はダニエル・クレイグのスタント・ダブルと撮影していたそうですが、途中でクレイグがスタジオを訪問。見学していたクレイグは「動きがちょっと違う。自分でやりたい」と言い出し、予定を変更して撮影に参加。結果的にクレイグのイメージを多く採り入れることになったそうで、クラインマンはクレイグを完璧主義者と評価しています。