映画007シリーズ公式Twitterのツイート(2021年3月8日付)によると、007シリーズ初期作品で多くのボンド・ガールの吹替を担当したニッキ・ヴァン・ダ・ジル(Nikki van der Zyl)さんが亡くなりました。

ニッキ・ヴァン・ダ・ジルさんは1935年ドイツ生まれ。イギリスで育ち、王立演劇学校を経て女優に。007シリーズでは声優として活躍。メインのボンド・ガールを含めた多くの女優たちの吹替を担当しました。

ニッキ・ヴァン・ダ・ジル公式サイトに掲載された007シリーズにおける実績は以下の通りです(007公式の追悼ツイートは『007/ダイヤモンドは永遠に』を実績に含めず)。

『007/ドクター・ノオ』(1962)
ウルスラ・アンドレス(ハニー・ライダー役、歌声含む)
ユーニス・ゲイソン(シルヴィア・トレンチ役)
その他、マネーペニー役とミス・タロ役を除く全ての女性の声

『007/ロシアより愛をこめて』(1963)
ユーニス・ゲイソン(シルヴィア・トレンチ役)など

『007/ゴールドフィンガー』(1964)
シャーリー・イートン(ジル・マスターソン役)
ゲルト・フレーベ(ゴールドフィンガー役)のボイス・コーチ

『007/サンダーボール作戦』(1965)
クロディーヌ・オージェ(ドミノ・ダーヴァル役)

『007は二度死ぬ』(1967)
浜美枝(キッシー鈴木役)

『女王陛下の007』(1969)
ヴァージニア・ノース(オリンペ役)

『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)
複数の女性

『007/死ぬのは奴らだ』(1973)
ジェーン・シーモア(ソリティア役、一部)

『007/黄金銃を持つ男』(1974)
フランソワーズ・テリー(チュー・ミー)

『007/ムーンレイカー』(1979)
コリンヌ・クレリー(コリン・ダフォー役)

BFI Filmographyによると、上記に加えて『007/カジノ・ロワイヤル』(1967)のウルスラ・アンドレス(ヴェスパー・リンド役)も担当したようです。

日本では、2018年に放送されたNHKのドキュメンタリー『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』のエピソード『007 ジェームズ・ボンド誕生の真実』で、ヴァン・ダ・ジルさんの活躍ぶりが紹介されました。