The New York Times(2021年5月31日付)が、『007/スカイフォール』と『007/スペクター』の脚本家ジョン・ローガンの寄稿エッセイを掲載しています。

タイトルは「What Will Amazon Do With James Bond?」(アマゾンはジェームズ・ボンドをどうするつもりなのか?)。

AmazonによるMGM買収の報道を知った時、ジョン・ローガンはゾッとしたのだそう。007シリーズはマーベルやDCとは異なるファミリー・ビジネスであり、プロデューサーのブロッコリ/ウィルソン家が注意深く育んできたものだ、と指摘。

そして、プロデューサーたちが外部の商業的な圧力を跳ね除けてきた結果、ハンドメイドでオリジナル且つ特別なシリーズが制作できた、と評価。

もしAmazonが制作の過程に口を出してきたらどうなるのか? 殺しが多すぎるとか、マーケティングの為にアメリカ人をもっと出演させろと言ってくるかもしれないと憂慮。その場合は骨抜きされ、当たり障りのない映画が出来上がるだろう、とローガンは警告しています。

自分の実体験経験として、007映画で働くということは、単なるスタッフになるのではなく、家族の一員になること、なのだそう。『007/スカイフォール』でボンドとシルヴァが初めて顔合わせをするシーンにホモセクシャルな要素を加えたいと提案した際、バーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンは、批判を恐れず歓迎してくれたとのこと。

ジョン・ローガンは、007はコンテンツでも商品でもなく、何十年もの間、我々の人生の一部であり続けている、と結んでいます。