<この記事は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のエンディングに触れています>

Los Angeles Times(2021年10月8日付)は、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のエンディングを、キャリー・ジョージ・フクナガ監督らのインタビューと共に伝えています。

フクナガ監督の話では、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』終盤に示されるジェームズ・ボンドの命運は、『007/カジノ・ロワイヤル』の頃からずっとダニエル・クレイグの頭の中にあった模様。

フクナガが監督に就任した時点で、既にクレイグや制作陣はこのアイディアを実現させる気でいたとのこと。しかし、ボンドの姿を最後に描いた後、どうやってエンディングに結びつけるか、監督が頭を捻ったようです。

プロデューサーのバーバラ・ブロッコリの話では、ボンドの最後の姿については、クレイグと何年も話し合ってきた、とのこと。クレイグ出演作のストーリーの流れにうまく合っていて、彼の最終作には相応しく、おかげで次からは心機一転シリーズを始められる、ともコメント。

フクナガ監督は今作を担当することになり、初めて『女王陛下の007』を観たとのこと。映画も主題歌も気に入り、今作の冒頭にインストゥルメンタルを流すことに決定(ハンス・ジマー作曲『Matera』に組み込まれています)。

これで冒頭の車内での台詞「We have all the time in the world」が強い意味を持つようになったとし、007映画ファンに違う最後を連想させることになったと考えているようです。

監督はエンディングの描き方をあれこれ考えていた時、どう派手にやりたいか、クレイグに質問。するとクレイグは、派手なファンファーレは不要だが、ルイ・アームストロングを流して欲しい、と頼んだそうです。

この結果、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』エンディングにはアームストロングが歌う『女王陛下の007』主題歌(厳密には挿入歌)の『We Have All The Time in the World』(邦題:『愛はすべてを越えて』)が流れています。