Yahoo Movies UK(2021年10月27日付)が、映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』メイキング本『No Time To Die: The Making of the Film』の内容を一部紹介しています。
ノルウェーの氷
2019年3月、凍りついた湖のシーンが撮影されたのは、オスロから30分の距離にあるHakadal村の近く。役者のクローズアップは、パインウッドで撮影。その際にはノルウェーから120平方メートルの氷が持ち込まれた。キャリー・ジョージ・フクナガ監督は、エポキシ樹脂を試したが本物の氷には敵わなかった、とコメント。
冒頭のサフィン
初期草稿では、マドレーヌの家を襲うのはサフィンと彼の部下の二人。その部下はマドレーヌに撃たれて死ぬ設定になっていた。
その後の改訂稿では、二人のキャラクターがひとまとめに。当初は『ヘル・レイザー』に酷似した18世紀のハンティング用マスクを着ける予定だった。フクナガ監督は、サフィンの白いスノー・ギアは『007/美しき獲物たち』でロジャー・ムーアの演じるジェームズ・ボンドが着用したボグナー・スノースーツへのオマージュだ、とコメント。
アストンマーティンDB5
初期草稿では、マドレーヌがDB5を運転する設定だった。撮影に使用されたDB5は全10台。Qが加えたガジェットの一つとして、LED版ナンバープレートがあったが、最終的には使われなかった。
プリモ役の起用
フランス俳優ダリ・ベンサーラがプリモ役に起用されたきっかけは、彼が出演したミュージック・ビデオ『Territory』。フクナガ監督のアシスタントがこの映像を監督に見せたことが、オーディション参加へと繋がった。プリモのヘアカットは、MVのベンサーラと同じスタイル。
デヴィッド・デンシックのオーディション
ヴァルド・オブルチェフ役を演じたデヴィッド・デンシックは、『007/スカイフォール』の時にもキャスティング・ディレクターのデビー・マクウィリアムズと面談したが役は得られなかった、と回想。
ジャマイカのバー
ジャマイカのクラブは、トム・クルーズ主演映画『カクテル』の撮影でも使われた場所。実際はビーチ沿いのオープン・エアだが、今作の撮影のためにバーとダンス・フロアを増設した。夜のシーンだが、撮影されたのは昼間。
アストンマーティンV8
タイトル・シークエンスでDB5は闇の中へ沈んでいく。シリーズに度々登場してきたDB5も終焉を告げる。V8を引っ張り出したのは、ダニエル・クレイグのアイディア。ボンドの私用車との位置付けであり、ガジェットは積んでいない。
ブロフェルドの会話
ブロフェルドとボンドの会話内容は、キャリー・フクナガ監督とフィービー・ウォーラー=ブリッジが担当したが、基本的にはダニエル・クレイグの希望に沿っている。
キューバのシーン
サフィンの島の階段シーンでは長回しを導入したフクナガ監督。映画全体で長回しを10箇所使いたいと考え、キューバの対決シーンもワンショットにすることを検討。しかし、ロジスティクス的に複雑な問題があり、断念した。
『No Time To Die: The Making of the Film』の著者はMark Salisbury。Titan Booksが英・米で2021年10月12日に発売。日本語訳『メイキング・オブ・007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は玄光社から12月24日発売予定です。