Below the Line(2021年11月3日付)は、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の第2班監督(セカンド・ユニット・ディレクター)、アレクサンダー・ウィットとのインタビューを掲載しています。
チリ出身のアレクサンダー・ウィットはヤン・デ・ボンの下でカメラ・オペレーターなどとして活動。デ・ボン監督作『スピード』で初めて第2班監督としてデビュー。以降、様々な作品の第2班の監督/撮影監督を担当。007シリーズでは『007/カジノ・ロワイヤル』『007/スカイフォール』『007/スペクター』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の第2班監督(兼撮影監督)を務めています。
ロケハンについて尋ねられたウィットは『007/スカイフォール』での経験を披露。インドへはロケハンのため2回訪問したそうですが、最初の話とは違って費用が上げられたり、許可される撮影時間が短くなるなど条件が厳しくなったため、同地での撮影を断念し、イスタンブールへ変更したとのこと。
ウィットには街中を舞台にしたアクションに関してアイディアがあり、スタント・コーディネーターと共に『007/スカイフォール』のサム・メンデス監督へ提示したそうですが、「自分の手には負えない」と言われたとのこと。その結果、最終的に規模を縮小したシーンが出来上がったのだそうです。
『007/スペクター』ではIMAXカメラによる撮影を検討したそうですが、ラッシュ・プリントが確認できるまでに時間が掛かり過ぎるため、諦めたとのこと。
最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ではノルウェーやマテーラでの撮影時、IMAXカメラをシリーズで初めて採用。アレクサンダー・ウィットにとっても初の経験だったそうです。
第2班による撮影日数は、第1班が120日間の場合は、60日から70日間程度とのこと。アクション・ユニットと捉えられがちな第2班ですが、第1班がやり残した仕事を、仕上げるのが第2班の役割とのこと。監督によっても異なるそうですが、『007/カジノ・ロワイヤル』のマーティン・キャンベルのように、主演のダニエル・クレイグが絡む撮影を第2班に任せることもあるそうです。
ウィットの新作は、Apple TV+の『ファウンデーション』。監督作品としては『トゥームレイダー』風の3部作映画があり、Amazonで配信予定とのことです。