The Hollywood Reporter(2021年11月30日付)は、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』編集を担当したトム・クロスとエリオット・グレアムのインタビューを掲載しています。
グレアムは『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を「アクションを加えたキャラクター重視のドラマ」と表現。クロスもプロデューサーのバーバラ・ブロッコリは「エモーショナルな作品に仕上げることを最重要視していた」と明かしました。
冒頭、アストンマーティンDB5で逃げるジェームズ・ボンド。助手席のマドレーヌ・スワンへブロフェルドからの電話が入ります。編集の二人は、これに反応するボンドの様子に特別の注意を払ったようです。
DB5は広場に急停車、囲まれた敵からの銃撃を受けます。ボンドはマドレーヌに罰を与えるかのごとく、何も対応せず放置し、しばらく間をおいてから反撃。この間の取り具合はプロデューサーが慎重に考えたのだそう。共感を得るために十分な時間をとりつつも、ボンドが冷酷な男だと思われないよう、切り上げる必要があったそうです。
最終対決のシーンで、サフィンがボンドの体内に毒を注入すると、ボンドの感情は様々に変化。具体的には混乱からショックへと変わったと言います。最後にボンドはサフィンを撃ち殺しますが、その時のボンドには復讐心があったわけではなく、もっと奥深いことを考えていた……とのことです。
また、ダニエル・クレイグが本作で求めていたのは、ジェームズ・ボンドを弱点のある、ひとりの人間として描くことだった……とのこと。『007/カジノ・ロワイヤル』からのキャラクターの連続性も重視していたようです。