Los Angeles Times(2021年11月30日付)は、長尺化傾向にある最近の映画とその興行成績について報じています。
長尺映画の一例として挙げられたのは『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。同作の上映時間は2時間43分(163分)で、これは007シリーズの中で最長です。
同紙はコロナ禍で生活様式が変化する中、長尺化が観客の足を遠ざけている可能性を指摘。
Screen Engine/ASIがアメリカで実施した意識調査(回答者数2,055人)によると、36%の観客が入場券購入前に上映時間を「しばしば」確認するとのこと。「いつも」確認するのが16%。
上映時間を重視する回答者の中では(注:「いつも」を選択した回答者を指していると思われます)、38%が120分を超えると劇場での鑑賞を躊躇。57%は150分を超えると観に行かないそうです。
また、映画の上映時間が長すぎることを知らされた場合、全回答者の45%は「必ず」或いは「たぶん」興味を損なう、とのことです。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のこれまでの北米興収は1億5800万ドル。その前週に公開されて2億1000万ドルを稼ぎ出した『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の上映時間は1時間37分(97分)となっています。
一方、歴代トップ・クラスの興収を記録した長尺映画もあり、『アベンジャーズ/エンドゲーム』などは3時間越え。
実際のところ、上映時間が観客動員へどのような影響を与えているのか、はっきり分からないようです。