<スポイラー注意>

Variety(2021年12月30日付)企画の対談に、ダニエル・クレイグ、キャリー・ジョージ・フクナガ監督、マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリらが参加し、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の結末に至る過程を語りました。

対談が実施されたのは同作公開後の12月。

ダニエル・クレイグの話では、ジェームズ・ボンドを死なせる結末の話が持ち上がったのは2006年。『007/カジノ・ロワイヤル』のベルリン・プレミア会場を後にしたクレイグとバーバラ・ブロッコリは車の後部座席で、自分の007映画を何本作るのか尋ねます。クレイグは契約書をよく読んでいなかったのだそう。ブロッコリの返答は4本。クレイグが「最終作でボンドを死なせてもいいか?」と尋ねると、ブロッコリは即座に「イエス」と答えたそうです。

クレイグは、ボンドの死をもって引退することしか考えられなかったとのこと。ブロッコリはクレイグの希望をウィルソンに伝達。しかし、スタジオ側には黙っていたそうです。

その後しばらくの間、この話題は消え去っていたようですが、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を製作するにあたって蘇ることに。

ウィルソンは『007/スペクター』を撮り終えたクレイグが続投に相当渋っていたことを明かしながら、原作のボンドも死にそうな目にあっていることを指摘し、常にリスクと向かい合うボンドが死ぬことは理に適っている旨を語りました。

キャリー・ジョージ・フクナガ監督の話では、ボンドの死はブロッコリ、ウィルソン、クレイグから伝えられた決定事項のうちの一つ。しかしボンドの死の描き方は決まっておらず、様々な案を検討。

フクナガ監督は一例として、ボンドをロケット爆発で死なせる案を披露。銃弾を受けて死ぬ案も検討したそうですが、月並み過ぎてやめたそうです。

クレイグは最終的に劇中で描かれた結末について、愛する者と暮らすことがボンドの唯一の望みであり、それが出来なくなったことを知ったボンドは生きる意味を失った、と説明。ボンドが最後にやりたかったのは、愛する者を危険から遠ざけることだ、とも語っています。


1/8追記
Varietyは1月6日に『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』特設サイトを公開しました。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』結末などを語るインタビュー映像が掲載されており、マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ、キャリー・ジョージ・フクナガ監督、ダニエル・クレイグが参加しています。