The Guardian(2022年3月4日付)は、脚本家ジョン・ホッジとのインタビュー記事を掲載しています。
イギリスで新たに放送・配信が始まった『ハリー・パーマー 国際諜報局』(『The Ipcress File』)シリーズの脚本を担当しているジョン・ホッジ。
『Bond 25』(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)の脚本家を降板した際を振り返り、プロデューサーらが本当に首にしたかったのは自分であり、ダニー・ボイル監督は引責辞任した、と語りました。
降板時に秘密保持契約へのサインを迫られることはなかったものの、降板劇の詳細を話すつもりはないようで、降板理由はあくまで「創造性の相違」だとしました。
ホッジは、『Bond 25』のアクション・シーンはどう書いたのかと尋ねられると、想像に反して詳細を書くように求められたと返答。大作のアクション映画は監督と多くのスタッフの共同作業で作られるものであり、詳細を書いても後から様々な理由をつけて変更を迫られるので、アクション・シーンは書きたくなかったとも語っています。
ホッジが書いた『Bond 25』シナリオのデータは、ノート・パソコンの中に残してあるとのこと。完成した『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観たところ、自分の書いた台詞の半分が使われているのが分かったそうですが、その内容については、誰にも明かすつもりはないようです。
『Bond 25』の脚本家として初めて公式発表されたのは、ニール・パーヴィス&ロバート・ウェイド。ダニー・ボイルが監督に就任すると、パーヴィス&ウェイドは降板し、ジョン・ホッジが代わりに就任。しかし、「創造性の相違」を理由に、ダニー・ボイルとジョン・ホッジは『Bond 25』を同時離脱し、パーヴィス&ウェイドが復帰。後任監督にキャリー・ジョージ・フクナガが就くと、脚本家も兼任。追加で、スコット・Z・バーンズとフィービー・ウォーラー=ブリッジの参加も公式発表されました。
なお、最終的に脚本家としてクレジットされたのは、ニール・パーヴィス&ロバート・ウェイド、キャリー・ジョージ・フクナガ、フィービー・ウォーラー=ブリッジの4名。
フクナガは監督兼脚本家の就任にあたり、ダニー・ボイルとジョン・ホッジ版のシナリオの刷新を求められたとされていますが、実際にはホッジの仕事内容が随所に残っていることが窺えます。