Radio Times(2023年4月13日付)は、007シリーズのキャスティング・ディレクター、デビー・マクウィリアムズとのインタビュー記事を掲載しています。

マクウィリアムズがこれまでにキャスティングを担当した中で最も困難だったと語るのは、『007/カジノ・ロワイヤル』でのヴェスパー・リンド役。ボンド・ガールにはある種のジンクスがつき纏うため、演技派の女優に検討してもらうだけでも一苦労だったとのこと。

エヴァ・グリーンは最初からヴェスパー役として候補に挙がっており、プロデューサーのバーバラ・ブロッコリやデビー・マクウィリアムズは彼女を推していたそうですが、一部では経験不足な彼女に懐疑的な向きもあったとのこと。

ヴェスパー役は決まらないまま撮影に突入しますが、そんな中にグリーンが受けた最初のスクリーン・テストは、ヘアやメイクアップがされず、酷いものだったようです。まともなメイクや衣装を着て仕切り直したグリーンは、ようやくオーディションに合格。

ジェームズ・ボンド役のキャスティング作業については、型にはまったプロセスはなく、候補者を選考する都度、変化するようです。

バーバラ・ブロッコリはボンド役に最初からダニエル・クレイグを求めていたものの、彼のキャスティングを周囲に納得させるのは困難だったそうです。

ボンド役の要件については、決まったものはないとのこと。しかし、運動能力に優れ、一般群衆に紛れ込めるような普通の風貌の男が求められるとし、「ドウェイン・ジョンソンでは無理」だと指摘。

そして、ダニエル・クレイグの跡を引き継ぐ7代目ボンドの年齢は「30代」になるそうです。

デビー・マクウィリアムズは『007/カジノ・ロワイヤル』で20代の若い俳優を選考したものの、経験不足で、精神的にも未熟であり、大きな責任を背負うには役不足であると感じたそうで、若いボンドを登場させる計画は止めたとのこと。

しかし、30代の俳優だからと言って、人気が確立したスターである必要はないとのこと。

ボンド役を決める過程では、バーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンがスタジオ側と話し合いますが、最終権限者はこの二人であるとのこと。デビー・マクウィリアムズはあまり強く口出しできないそうですが、なるべく意見を述べているようです。