カテゴリー別アーカイブ: SONY-MGM-EON

SONY/MGM/EON

MGMとFoxに集団訴訟の危機 007映画DVDの購入者が米で提訴

The Hollywood Reporter(2017年4月7日付)によると、MGMと20世紀フォックスのホーム・エンターテイメント部門がアメリカでクラス・アクション(集団訴訟)の危機に直面しているようです。

ワシントン州在住の女性は映画007シリーズ製作50周年を記念してMGMがリリース(販売は委託されたフォックス)したDVDボックス・セット『Bond 50』を106.44ドルで購入。パッケージに「全てのボンド映画を史上初収録」の宣伝文句が書かれていましたが、『カジノ・ロワイヤル』(1967)と『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(1983)が含まれておらず失望。消費者に誤解を与える販売であったとして提訴。莫大な賠償金が発生しかねないクラス・アクションの形式をとっており、4月7日に連邦裁判所へ訴えが届いた模様です。

1967年版『カジノ・ロワイヤル』と『ネバーセイ・ネバーアゲイン』はイオン・プロダクションやMGM(ユナイト)以外の会社が手掛けたもので、一般的にシリーズ番外編と見なされている作品。ただし、両作ともボックス・セットが発売された2012年以前にMGMがその配給権を獲得し個別にDVDをリリース済みで、権利的にはボックス・セットに含めることが可能だったと思われます。

MGM 2018年に映画10作を公開と発表も007次回作には触れず

MGMは2017年3月8日、投資家との電話会談を開催し2016年の業績を発表しました。

会談の中でMGMのゲイリー・バーバー会長兼CEOは今後の予定として、2018年に約10作品の映画をリリースすると公表。例として複数のタイトルや主演俳優名などを挙げましたが、007シリーズ次回作で第25弾となる『Bond 25』については何も語りませんでした。

007映画はMGMが所有する知的財産として最も価値があり、なおかつ相当な収益が確実に見込めるシリーズで、スタジオ側としては最大限に活用したい資源のはず。投資家に業績をアピールする場で『Bond 25』に触れなかった理由は分かりませんが、別の機会で改めて正式発表したかったのか、或いは2019年公開を想定しているのかもしれません。

なお、バーバー会長は2016年の時点で007映画を3、4年周期で製作したいとの意向を示しており、MGMがこの通りに動いているとすれば、『Bond 25』は2018年か2019年の公開となります。

MGM 中国企業が買収に向け交渉中

New York Post(2017年2月24日付)によると、MGMは同社の買収を希望する中国系企業と踏み込んだ交渉を進めているようです。

この中国企業の社名は不明ですが、同紙はMGM買収の為に新たなスキームで設立された企業体である可能性を指摘。ただし買収金額によっては、中国政府の規制を受ける場合がありそうです。

カーク・カーコリアン率いるMGMはユナイトを買収した1980年代に007映画の著作権を獲得しましたが、その後テッド・ターナー、ジャンカルロ・パレッティなどの実業家やソニー率いる企業連合などによる度々の買収・売却を経て破産状態に。現在のMGMは独立した企業ですが、事実上は投資企業らの管理下にあります。

映画007シリーズでは、これまで日本メーカーの様々な製品が登場。特にソニーがMGMと共同で製作を始めてからは、ソニー製品がスクリーンの随所に見られるようになりました。もし中国企業がMGMを買収すれば、ジェームズ・ボンドが幾つもの中国ブランドを使用する日がくるかもしれません。

イオン・プロ 映画『Nancy』を制作中

Variety(2017年2月6日付)によると、イオン・プロダクションは映画『Nancy』を制作中のようです。

『Nancy』はクリスティーナ・チェ監督の心理ドラマ。出演はアンドレア・ライズボロー、J・スミス=キャメロン、アン・ダウド、ジョン・レグイザモ、スティーヴ・ブシェミら。イオン・プロは制作会社の一社として参加しており、同社のマイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリらがエグゼクティヴ・プロデューサーを努めている模様。撮影は既にニュヨークで開始されたとのことです。

ソニー 映画事業のソニー・ピクチャーズ売却を検討中か

New York Post(2017年1月19日付)によると、ソニー株式会社はソニー・ピクチャーズエンタテインメント・インク(SPE)の売却を現実的に検討する段階へ入ったようです。

同紙では複数の情報筋から得た話として「すべての銀行が売却の提案をしている」などと伝えており、急遽来日してソニーへ提案書を出した投資銀行などもあるようです。買収側の企業名は挙がっていませんが、CBSは長年に渡ってSPEを狙っているとされており、近年ハリウッドへ進出している中国系企業もその競合相手になる可能性が。また、ソニーとしては現時点で売却の決定は下しておらず、8月に全米公開予定の映画『The Emoji Movie』の成績を見極めた上で最終的な判断をしたいようです。

一方で音楽分野を総括するソニー・ミュージックエンタテインメント・インク(SME)については、経営が順調であり、CBS・ソニー出身であるソニー株式会社の平井一夫社長はSMEを売却の対象外としている模様です。

米国法人であるSPEの事業は、主軸であるモーション・ピクチャー・グループ(コロンビア・ピクチャーズ、トライスター・ピクチャーズ、スクリーン・ジェムズ、ソニー・ピクチャーズアニメーションの各映画製作レーベルや、配給、ホーム・エンタテインメントなどの映画ビジネスを統括)、ソニー・ピクチャーズテレビジョン(テレビ番組の制作、配給、フォーマット販売など)、ソニー・ピクチャーズスタジオ(映画・テレビ番組の制作施設運営)などの部門に分かれています。

SPEの映画部門は世界興収11億ドルを突破した『007/スカイフォール』などのヒット作を放った影響で、2012年の北米市場シェアはメジャー6社中トップを記録。不振が続くエレクトロニクス部門を支援する役割も果たしてきました。しかし、近年はそのシェアも低下。2016年のシェアは5位で8%と低迷しています。

ソニーとってはエレキが本業本筋であり、SPEなどのエンタメ部門は副次的事業として捉え、特に日本国内ではこれを重要視しない向きもあります。SPEの売却は短期的にソニーへ利益をもたらし、このような見方をする株主・経営陣を満足させそうですが、エンタメ企業としての「SONY」の名はスクリーンやテレビ画面を通じてアメリカのみならず世界で30年近くかけて根ざしてきたもの。映画ビジネスからの撤退は、時に「本業」を支えてきた機能の一つを失うというだけでなく、中・長期的には「SONY」ブランドの求心力低下に繋がり、逆にネガティブな事態を導くことになるかもしれません。

なお、これまでダニエル・クレイグ主演の007シリーズ4作をMGMと共同製作・配給してきたソニー・ピクチャーズは『007/スペクター』後も次回作への意欲を示してきましたが、先日退任を表明したマイケル・リントン会長の後任者が未定になっており、売却の可能性で会社自体が揺れ動くとすれば、MGMとの交渉中断や断念もあり得そうです。

ソニー・ピクチャーズ会長兼CEOのマイケル・リントン氏が退任へ

ソニー株式会社は2017年1月14日、マイケル・リントン氏がソニー株式会社の執行役とソニー・エンタテインメントのCEOを2月2日付で退任すると発表しました。

マイケル・リントン氏はソニー・ピクチャーズの会長兼CEOとして、ダニエル・クレイグ主演の007シリーズ4作の製作に携わっており、2012年からはソニー・エンタテインメント(米国に本社を置くソニー・ピクチャーズエンタテインメント、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニー/ATVミュージックパブリッシングの各エンタメ事業社を統括するソニー子会社)のCEOを兼任するほか、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのCEOも務めてきましたが、これら全ての職から退くようです。

リントン氏の後任は未定。同氏は今後半年間ソニーに残り、ソニー株式会社社長兼CEOの平井一夫氏と共に後任の人選にあたるとのことで、その間は平井氏がソニー・エンタテインメントの会長兼共同CEOを務めます。

ソニー・ピクチャーズはユナイテッド・アーチスツ出身のジョン・キャリー氏がCEOを務めていた90年代から007シリーズ製作を計画。2006年からはキャリー氏の跡を継いだエイミー・パスカル氏とマイケル・リントン両氏が実際にMGMと007映画の共同製作を行ってきました。しかし、リントン氏の退任によって、007製作に関わった経験のあるソニー・ピクチャーズのトップはすべて同社から姿を消すことになります。なお、MGMは現時点で007作品の製作・配給パートナーを決めていない模様で、リントン氏の退任はMGM側の選定プロセスに何らかの影響を及ぼすかもしれません。

イオン・プロダクションがアブダビを視察 フィルム・コミッションの招きで

Digital Production Middle East(2016年12月19日付)によると、『007/スペクター』や『007/スカイフォール』で共同プロデューサーを務めたイオン・プロダクションのアンドリュー・ノークス氏がアブダビ・フィルム・コミッション(ADFC)の招待を受け、18日にアブダビ入りしたようです。

ADFCは米英映画の撮影誘致に力を入れているようで、イオン・プロの他にディズニーやユニバーサルの幹部らが共に参加。5日間の予定で、アブダビ各地を訪問するとのことです。

現時点で007次回作の制作準備は本格化しておらず、今回の視察がそのままロケ地選定へと繋がる可能性は低そうです。しかし、ストーリーに合致した場所や魅力的なインセンティブなどが提供されれば、今後の007シリーズで撮影が行われることがあるかもしれません。

MGMと20世紀フォックスがホーム・エンターテイメント契約を再更新

MGMは2016年6月27日、20世紀フォックスホームエンターテイメントとのワールドワイドなホーム・エンターテイメント契約を更新したと発表しました。期間は4年間。これにより、フォックスは007シリーズ旧作や今後製作される『Bond 25』をも含めたMGM作品のビデオグラム(ブルーレイ&DVDとデジタルHD、VODも)発売の権利を2020年6月まで獲得したことになります。

フォックスがMGMライブラリーのビデオグラムをリリースし始めたのは1999年。以降、17年の間に契約の更新を重ね、今日に至るまでこの関係を続けています

なお、2004年に投資企業と共にMGMを買収したソニーは当初、MGM作品のブルーレイ&DVD発売を徐々に始めましたが、MGMの経営を完全に掌握できず、その役割は再びフォックスが全て担うことに。007シリーズにおいて、ソニーは『007/カジノ・ロワイヤル』のブルーレイ&DVDを一時期リリースするのみに留まりました。

MGM 007次回作『Bond 25』の自社配給を模索か

Deadline(2016年6月9日付)によると、MGMは早ければ007シリーズ次回作『Bond 25』から、再び自社配給を手がけるかもしれません。

かつてはメジャー・スタジオの代表格として栄華を誇ったMGMも、度重なる買収を経験した後に破産を申請、今ではメジャーとしての地位も失いました。近年は債権者・投資家のバックアップを受けて復活の兆しを見せていますが、配給部門は閉鎖されたまま。MGMは現在、年に数作の映画を製作しているものの、配給は競合他社に委託せざるを得ない状況です。

007映画も例外ではなく、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)から『007/スペクター』までの4作は、連続でソニー・ピクチャーズ(コロンビア)が北米と海外の多くの市場で配給を担当してきました。ソニーとの契約が切れた今、次回作『Bond 25』でもMGMは配給パートナーを探していますが、MGMの上級副社長を務めたDeadlineのピーター・バート氏が得た情報では、MGMが『Bond 25』から自社配給に踏み切る可能性もあると考えているライバル社幹部が複数いるようです。

これがもし実現した場合、北米はMGM、海外市場は他社に委託というスタイルが復活することになりそうです。

バーバラ・ブロッコリ 女優グロリア・グレアムの伝記映画をプロデュース

Daily Mail Online(2016年4月28日付)によると、映画007シリーズのプロデューサーで知られるイオン・プロダクションのバーバラ・ブロッコリが、米女優グロリア・グレアムの人生を描く映画の制作に乗り出すようです。

グロリア・グレアムは1940年代からハリウッドで活躍。『悪人と美女』(1953)ではアカデミー助演女優賞を受賞。ガンを患った晩年は、俳優ピーター・ターナーのリバプールにある実家で看病を受けていました。

この伝記映画はターナー著『Film Stars Don’t Die In Liverpool』に基づく模様で、主演のグロリア・グレアム役にはアネット・ベニング、ピーター・ターナー役はジェイミー・ベル、ピーターの母親はジュリー・ウォルターズが務める予定。

ブロッコリがこのタイミングで本作に関わるということは、007シリーズ次回作『Bond 25』の制作スタートまでに、かなり間があることを示しているのかもしれません。

なお、バーバラ・ブロッコリがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた映画『The Silent Storm』はイギリスで5月20日から公開されます。


5/8 追記:ScreenDaily(2016年5月6日付)によると、監督はポール・マクギガン。プロデューサーのバーバラ・ブロッコリはイオン・プロダクションとして制作に参加。クランクインは6月27日で、撮影所はパインウッド・スタジオ。ロケ地はロンドンとリバプール。コスチューム・デザイナーにジャニー・ティマイム、メイクアップにナオミ・ドン、キャスティング・ディレクターはデビー・マクウィリアムズと、007シリーズのスタッフ参加も決定しています。