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ダニー・ボイルが『Bond 25』監督に決定し配給はアンナプルナとワーナーが狙う? ソニーは再びMGMの買収を検討中か

The Hollywood Reporter(2018年4月4日付)は、MGMと映画007シリーズを取り巻く現状について伝えています。

007映画次回作でシリーズ第25弾となる『Bond 25』は、既にMGMが北米公開日を2019年11月8日と発表していますが、その配給会社は未定のまま。北米での配給はMGMと提携を結んだアンナプルナ・ピクチャーズが行う見通しとの有力報道が昨年からありましたが、複数の情報筋によると、そのような決定はしていないそうです。ただし、アンナプルナが今も同作配給を狙っていることに間違いはない模様。また、『Bond 25』の海外配給会社は、ワーナー・ブラザースが最有力候補と伝えられてきましたが、こちらも未決定とのこと。

配給会社の選定が遅れている原因として、MGMが自社の売却を検討しており、007映画は自社の売却価格を釣り上げる手段として使われていると考える事情通もあるようです。そして、ソニーはMGMの買収に再び興味を持っているとのこと。

なお、MGMのライブラリーからは毎年3億ドルの売上があり、007シリーズの権利だけで10億から30億ドルの価値があると見なされている模様です。

また、ダニー・ボイルの『Bond 25』監督就任は決定事項のようです。

MGM 『Bond 25』公開は2019年に変更なし、配給会社は未発表

MGMは2018年3月28日、投資家との電話会議を開催し、2017年第4四半期と年間の業績を発表しました。

この中で、同社のクリストファー・ブレアートンCOOは、007映画次回作『Bond 25』の公開は2019年であることを明言しました。

『Bond 25』配給会社については、北米市場がMGMであることを強く窺わせる表現を用いました。しかし明言を避けたかったのか、投資家からの質問に対しては「現時点で公にできる新情報はない」と答えています。

MGMは『Bond 25』の北米公開日を2019年11月8日と昨年7月に発表。その後、イオン・プロダクションの映画『The Rhythm Section』の制作が中断するトラブルが発生。配給会社は長期に渡って未確定の状態となっており、監督名も発表されておらず、最近にはMGMのCEOが突如解任される騒動も発生しており、『Bond 25』の11月公開を危ぶむ向きもありました。

MGM会長兼CEOの解任 007プロデューサーとの不仲も一因か

The Hollywood Reporter(2018年3月21日付)は、ゲイリー・バーバー氏がMGMの会長兼CEOを解任された背景について伝えています。

3月19日に発表されたこの突然の解任は、バーバー氏本人を始め、彼のスタッフらにも伏せられてきたものだそう。

取締役会の会長ケヴィン・ウルリッチ氏とバーバー氏の間には埋めがたい溝が出来上がっていたとのこと。投資会社の代表も務めるウルリッチ氏とバーバー氏は当初、MGMの経営を軌道に乗せた後に売却しようと考えていたようですが、ウルリッチ氏の気が変わったらしく、売却の方針を変えないバーバー氏と対立。

バーバー氏は『007/スカイフォール』(2012)、『007/スペクター』(2015)を大ヒットさせましたが、2016年の年間売上は過去5年間で最低を記録。3月16日に公開された『トゥームレイダー ファースト・ミッション』の興行成績が振るわなかったことが、解任の決定打に繋がったようです。

また、ゲイリー・バーバー氏の人格的な問題もあった模様で、同僚やパートナー会社と衝突することが度々あったのだそう。007映画を制作するイオン・プロダクションのバーバラ・ブロッコリやマイケル・G・ウィルソンとも不仲になり、遂にイオン側はバーバー氏との協業を拒否するにまで至ったようです。

007映画次回作『Bond 25』の北米公開日は2019年11月8日と発表されていますが、英国など海外公開日は未発表。配給会社についてもまだ発表されておらず、米国内はMGMによる自社配給、海外市場はバーバー氏と個人的に親しいケヴィン・ツジハラ氏がトップを務めるワーナー・ブラザースが有力と見られてきましたが、MGMが新体制を迎えることで、配給会社選定に影響が及ぶのかもしれません。

MGMのゲイリー・バーバー会長兼CEOが電撃解任

Variety(2018年3月19日付)によると、映画007シリーズを製作するMGMの取締役会は、同社会長兼CEOを務めていたゲイリー・バーバー氏を解任したようです。

ゲイリー・バーバー氏は映画製作会社スパイグラス・エンターテイメントを設立。MGMが破産すると、投資企業などからの支援を受け、2010年からMGM(Metro-Goldwyn-Mayer Inc.)の会長兼CEOに就任。2017年10月には契約を延長し、2022年まで同職を続けることが決定していました。

解任が発表されたのは3月19日で、この突然の解任理由は現時点で明らかにされていない模様ですが、既に取締役会は後任者の選定作業を開始しているとのことです。なお、本記事の投稿時点でMGM公式サイトには、会長兼CEOはゲイリー・バーバー氏であることが記載されています。

MGMは007次回作『Bond 25』の北米公開日を2019年11月8日と発表済みですが、その配給会社についてはまだ発表されていません。配給会社選定は会長であるバーバー氏が主導していた模様で、今回の解任劇が007映画の製作・配給活動に何らかの影響を与える可能性があるかもしれません。


3/20 追記
ゲイリー・バーバー氏が会長兼CEOを務めていた企業の正式名称は「Metro-Goldwyn-Mayer Inc.」で、略して「MGM Inc.」と表記する場合があります。同社の親会社で持株会社となるのが「MGM Holdings Inc.」。バーバー氏はこの持株会社では取締役会の一員となっていました。

Business Wire が掲載したプレスリリース(3月19日付)によると、ゲイリー・バーバー氏の解任を決定・発表したのは、MGM Holdings Inc. 取締役会の会長らだったようです。現地時間3月28日には2017年第4四半期の業績を発表する電話会議が開催される模様で、その際には『Bond 25』に関する何らかの情報が明らかになるかもしれません。


3/21 追記
MGM公式サイトの会社情報ページからゲイリー・バーバー氏についての記述が抹消されています。


3/21 追記
Deadline(3月20日付)は、ゲイリー・バーバー氏解任の背景を説明。MGM Holdings 取締役会の会長職に就いており同社筆頭株主の投資会社 Anchorage Capital Group でCEOも務めるケヴィン・ウルリッチ氏と、バーバー氏との間で、MGMの方向性に関する意見の相違があった模様。バーバー氏はMGMの売却を積極的に検討したかったようですが、ウルリッチ氏は反対の姿勢だったとのことです。また、ゲイリー・バーバー氏は Metro-Goldwyn-Mayer での会長兼CEO職だけでなく、MGM Holdings の取締役の座からも降ろされたらしく、MGMから完全に追放された形のようです。

DVD/ブルーレイを巡るMGM&FOXとユーザーの集団訴訟が和解に

JNDによると、MGMとFOXを相手取って起こされていた、映画007シリーズのDVD&ブルーレイに関する集団訴訟が和解することで合意に達しました。

この集団訴訟(クラス・アクション)は、米・ワシントン州に在住の女性が代表となり起こしていたもの。女性は007シリーズ製作50周年を記念して発売されたDVDボックス・セット『Bond 50』を購入。パッケージには「全てのボンド映画を史上初収録」との記載があり、シリーズ番外編であるパロディ版『007/カジノ・ロワイヤル』や『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の鑑賞も楽しみにしていたようですが、購入後に両作ともボックス・セットの中に含まれないことが判明し、誤解を招くマーケティング手法だったと憤慨。MGMと米20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント社を相手に、集団訴訟に踏み切っていたようです。

集団訴訟の原告の一員となるのは、以下のDVDまたはブルーレイ・ボックス・セット(商品番号省略)を米国内で2018年1月31日以前に購入した場合に限られます。
「Bond 50: Celebrating Five Decades of Bond 007」
「The James Bond Collection」
「The Ultimate James Bond Collection」

対象者は期限内に申請すれば、和解案に基づき『007/カジノ・ロワイヤル』(1967)と『ネバーセイ・ネバーアゲイン』のデジタル・コピーが貰えるとのこと。詳細はJNDによる和解特設サイト「James Bond Box Set Settlement」に記されています。

MGM会長 複数企業と『Bond 25』配給を協議中

MGMは2017年11月14日、投資家等との電話会議の内容と、同社の第3四半期の業績を発表しました。

会議に出席したMGMのゲイリー・バーバー会長兼CEOは、007次回作『Bond 25』についても触れ、配給会社は未定で、現在複数の様々な候補企業と話し合っていることを明らかにしました。

なお、Deadlineは11月12日の記事で、北米ではMGMがアンナプルナ・ピクチャーズと提携して自社配給し、海外市場はメジャー・スタジオに委託する旨を報道しています。

『Bond 25』のアメリカ配給はMGMに決定か

Deadline(2017年11月12日付)によると、MGMは映画007シリーズ次回作『Bond 25』をアメリカ国内で自ら配給するそうです。

MGMがアンナプルナ・ピクチャーズとの提携によって、国内配給を2018年から再開することは先日発表されていましたが、007映画の配給については後日の発表予定となっていました。

MGMとアンナプルナの007映画配給における提携は近日中に最終決定し発表される模様で、ダニエル・クレイグ主演4作で配給を行っていたソニー・ピクチャーズへは既に通知されたとのこと。

アンナプルナ・ピクチャーズは、MGMから007映画の配給担当者を、ソニー・ピクチャーズからは同マーケティング担当者をそれぞれ引き抜いており、彼らがアンナプルナでも007映画を手がける模様です。

007映画で劇場興収の7割を占めている海外配給については未だ決まっておらず、ワーナー、ソニー、ユニバーサルのメジャー3社がこの海外市場の権利を得ようと争っている最中とのこと。また、フォックスが担ってきたDVD&ブルーレイも他社に変更となる可能性があるそうです。

007次回作『Bond 25』はどうなる? シリーズの現状と展望(3)

2017年7月。満を持して初の『Bond 25』公式発表があった。2019年11月8日のアメリカ公開が決定した。ただ、配給会社は後日の発表になるという。通常は公開日を決める立場の配給会社が未決定のまま、日程が独り歩きするのは驚きだった。実際には、MGMは既に決めているのだろうと想像していたが、どうやら状況は違っていたようだ。

映画007シリーズにとって、制作会社イオン・プロダクションが守護者なら、MGMは残念ながらアキレス腱と言える。映画007シリーズの権利はイオンが半分所有しているが、もう半分を持つMGMが問題を抱え続けている。MGMは製作・配給の役目を担当しているが、売却・買収が度々続き、その経営は安定していない。

007シリーズは初期は毎年、1960年代後期からは1年おきで製作されている。しかし、そのペースが大きく乱れた時期がある。具体的な例としては、第16作公開後、第17作が公開されるまでに6年間、第20作・第21作の間と、第22作・第23作の間ではそれぞれ4年間の空白期間が生じている。いずれもMGMの経営(者)が起因で大きな影響を与えた。

海外市場の劇場配給会社もMGM側の事情でかなりの変遷を経ている。日本ではユナイト、UIP(旧CIC)、フォックス、ソニーと変わった。『Bond 25』では、また新たな配給会社が選定されそうだが、こうも会社が変わるのは007シリーズにとって大きな損失。米・英など英語圏の地域ではさほど大きな問題には見えないかもしれないが、配給会社が変わり空白期間が生じることで、情報発信が中断してしまっている。

例えば、本家公式サイトやSNSでは日常的に情報が更新されているが、日本公式は『007/スペクター』公開直後に事実上更新が止まった。これ以降、日本向けの情報提供はされていない。インターネット黎明期なら、それでも良かったかも知れない。しかし、今は日々情報を発信し続けないと、降り注ぐ他の情報の下に埋もれてしまい、忘れられてしまうのが現実。あえて飢餓感を煽る宣伝戦略でも実行しているなら話は別だが、発信したくてもできない、発信者不在・オーソリティ不在という現状があるとすれば、それは日本を含めた海外ファンにとっての不幸である。

ダニエル・クレイグ主演の007映画はこれまで4作。この全てをソニー・ピクチャーズがMGMと契約を結び、日本を含めた多くの国々で配給を担当した。同社のような海外配給網を持つ、安定感のあるメジャー・スタジオが以前から007映画の権利を所有して自社配給をしていれば、製作ペースの乱れや、情報発信の中断などの問題も起きなかったのではないか。クレイグは『Bond 25』で最後のボンド役を演じるつもりのようだが、ここはもう一度、一貫性を保つ意味でも、クレイグ=ボンド・シリーズを成功に導いてきた、経験あるソニーに配給を続けてもらいたい。

しかしMGMはそう考えていないらしい。そもそも、ソニーが4作連続で配給できたのも、MGMが一貫性を最重視した訳ではなく、途中で実施された競争入札でソニーがライバル社に競り勝った為である。他社が『007/スカイフォール』と『007/スペクター』を配給する可能性は十分にあった。収益最大化を最優先に追い求めるMGM。一企業としては当然の行動だが、扱う商品がブランド力の高いコンテンツであれば、その扱いは慎重であるべきだ。

そのMGMが次回作『Bond 25』の配給パートナーとして選ぶ会社はどこになるのか。今年報道された信憑性の高い記事が、配給権を狙っている会社の中で最有力としたのはワーナー・ブラザース。他に、ソニー、フォックス、ユニバーサルのメジャー各社とアンナプルナ・ピクチャーズも手を上げた模様。何処に決まるとしても、契約は『Bond 25』の1作のみと伝えられており、その後はMGMの意向でまた変わる可能性がある。

9月の報道では、上記に加え、アップルとアマゾンが新たに配給権争奪戦に加わったらしい。両者とも世界規模の巨大企業だが、旧来の映画会社ではない。ただ、アマゾンは数年前からアマゾン・スタジオを立ち上げ、映画などの映像コンテンツの製作・配給(配信)に乗り出している。初の単独での劇場配給作品も年末に公開が予定されており、ここで007映画がそのラインナップに加われば、一挙ホームランだ。

アップルは後塵を拝しているが、同様に映像製作に乗り出しており、ソニー・ピクチャーズのテレビ部門から経営幹部を引き抜くなどしている。現時点で、大作映画を世界規模で劇場配給する体制が整っているとは思えないが、その資金力をもってすれば、企業買収で一夜にして配給能力を抱えることになるかもしれない。

また、アップルかアマゾンが007シリーズそのものを買収し、テレビ・シリーズ化するなど、従来なかった手法を追加してその著作権をフル活用する可能性も取り沙汰されている。この両者が優良の映像コンテンツを求めている点、そして経営的に余力がある点からも、ありえない話ではない。

ただし、MGMの立場からすると、007シリーズは最大の目玉商品で、断れない程の魅力的なオファーがない限り、易々と手放すことはできないはず。ひょっとすると、アップルやアマゾンがMGM自体を買収する方が手っ取り早いかもしれない。

現在のMGMは独立企業だが、実質的には投資会社などのコントロールを受けている。歴史は繰り返すように、早晩、MGMが売却されるのは避けられない。その時、買収するのは新興勢力のアップルかアマゾンか。老舗メジャーの親会社か。ハリウッド進出を図る中国系企業か。何れにしても『Bond 25』、そしてその後に続く007映画は当面の間、MGMの経営判断に大きく左右され、波乱の歩みを続けることになるのだろう。


007次回作『Bond 25』はどうなる? シリーズの現状と展望(1)
007次回作『Bond 25』はどうなる? シリーズの現状と展望(2)

『Bond 25』配給権の争奪戦にアップルとアマゾンが参加 007シリーズ買収の可能性も

The Hollywood Reporter(2017年9月6日付)によると、アップルとアマゾンの2社が映画007シリーズ第25作『Bond 25』の配給権を狙っているようです。

『Bond 25』の北米公開日は2019年11月8日と、今年7月に発表されましたが、配給会社は現時点で未発表のまま。The New York Times は今年4月、ワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズ、ユニバーサル・ピクチャーズ、20世紀フォックスのメジャー各社とアンナプルナ・ピクチャーズの合計5社の間で『Bond 25』配給権の争奪戦が繰り広げられていると報じていました。

なかでも、ワーナーは優勢と伝えられてきており、その現状は今なお続いている様子ですが、ここへ来てアップルとアマゾンが争奪戦に加わったそうです。

同誌は、この2社は配給だけに興味を持っている訳でなく、将来MGMが007シリーズの売却を図ることも視野に入れて交渉に挑んでいる可能性も指摘。

特にアップルは今夏、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンの社長2人を自社へ引き抜きましたが、その彼らがMGMとの交渉の先鋒に立っており、映画007シリーズの全権利を狙っている可能性もあるようです。インサイダーの話では、007シリーズ全体の価値を20億から50億ドルと見積もっているとのこと。

その他、ワーナーとアマゾンが組むケースや、中国企業が参入してくる可能性についても同誌は触れています。


9/7 追記:映画007シリーズの権利はMGMとダンジャック社が共同所有している為、アップルやアマゾンがMGM分の全権利を取得しても、全てのコントロールはできません。

『Bond 25』配給会社決定は数ヶ月後 ソニーがビデオでプレゼン実施

Deadline(2017年5月8日付)によると、MGMが『Bond 25』の配給会社を決定するにはまだ数ヶ月かかるようです。

同サイトはワーナー・ブラザースとソニー・ピクチャーズを有力視。ソニーの平井一夫社長が自らビデオ・プレゼンにジェームズ・ボンドの格好で登場したと伝えています。

最終的に配給会社が決まるのは数ヶ月後になる模様。なお、2011年4月にMGMがソニーと共同製作・配給契約を締結した際は、その1年半後に『007/スカイフォール』が公開されています。

また、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの新CEOにはフォックス・ネットワーク・グループの元会長トニー・ヴィンチクエラが最有力候補の模様で、今週中か来週早々には発表が期待されているようです。