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ソニー・ピクチャーズのトム・ロスマン会長 MGMとの007シリーズ配給交渉は「未だ始まっていない」

The Hollywood Reporter(2016年6月23日付)は、ソニー・ピクチャーズ映画部門のトム・ロスマン会長とのインタビューを掲載しています。

この中で、007映画次回作配給について、MGMとの交渉の進捗状況を尋ねられたロスマン会長。007シリーズ配給の継続には強い興味を持っているとし、これまで4作を手がけた経験があることから、ソニーは同社の後釜を狙うライバル社に比べて有利な立場にあるとの考えを示しました。しかし、「交渉は未だ始まっていない」と明かしています。

なお、MGMは2016年3月の投資家との会談で、007シリーズ配給を希望しているメジャー各社とはすべて会ったと発言。その上で、配給会社決定は当面先になることを示唆しており、次回作『Bond 25』の公開は2018年か2019年を目指している模様です。

ソニーは当初、『007/カジノ・ロワイヤル』と『007/慰めの報酬』をMGMと共同で製作・配給。その後、契約を更新して『007/スカイフォール』、『007/スペクター』もリリース。この間、制作会社イオン・プロダクションとも良好な信頼関係を築き上げ、イオンが制作する非007映画である『チキ・チキ・バン・バン』(リメイク)、『Remote Control』、『No Place to Hide』の配給も全てソニーの担当になっていました。

しかし、ダニエル・クレイグの007シリーズをMGM・イオンと共に成功へ導いた立役者でロスマン会長の前任者エイミー・パスカル氏は2015年にソニー・ピクチャーズを去っており、最近ではパスカル氏の下で社長職を務めていたダグ・ベルグラッド氏の退任も決定するなど、MGMやイオン側との人的なコネクションが弱まっている可能性が。ソニーは希望通り007シリーズを取り戻すことができるのか、見通しは不透明です。

MGM 007次回作『Bond 25』の自社配給を模索か

Deadline(2016年6月9日付)によると、MGMは早ければ007シリーズ次回作『Bond 25』から、再び自社配給を手がけるかもしれません。

かつてはメジャー・スタジオの代表格として栄華を誇ったMGMも、度重なる買収を経験した後に破産を申請、今ではメジャーとしての地位も失いました。近年は債権者・投資家のバックアップを受けて復活の兆しを見せていますが、配給部門は閉鎖されたまま。MGMは現在、年に数作の映画を製作しているものの、配給は競合他社に委託せざるを得ない状況です。

007映画も例外ではなく、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)から『007/スペクター』までの4作は、連続でソニー・ピクチャーズ(コロンビア)が北米と海外の多くの市場で配給を担当してきました。ソニーとの契約が切れた今、次回作『Bond 25』でもMGMは配給パートナーを探していますが、MGMの上級副社長を務めたDeadlineのピーター・バート氏が得た情報では、MGMが『Bond 25』から自社配給に踏み切る可能性もあると考えているライバル社幹部が複数いるようです。

これがもし実現した場合、北米はMGM、海外市場は他社に委託というスタイルが復活することになりそうです。

『Bond 25』配給会社は2016年2月までに決定か マイケル・G・ウィルソン氏インタビュー

The Hollywood Reporter(2015年11月6日付)は、最新作『007/スペクター』の全米公開を目前に控えた映画007シリーズのプロデューサー、イオン・プロダクションのマイケル・G・ウィルソン氏とのインタビューを掲載しています。

この中でウィルソン氏は、MGMと組んで007映画次回作(『Bond 25』)を配給するメジャー・スタジオについて、ソニー・ピクチャーズなのかその他の会社になるのかは分からないとし、基本的にイオン・プロでなくMGM側が決定することだとコメント。一方でMGMが候補として検討している3社のトップとは既に面会。いずれの会社も007映画の配給会社として相応しいと考えているようで、配給会社決定は2016年1月か2月頃になるようです。

また、次回作の脚本はまだ書き始めていないそうで、アイディアも出ていなければ、タイトルも決まっていないとのこと。ダニエル・クレイグのボンド役続投の可能性については「期待している」と答えましたが、契約はしていないとコメント。自分よりももう一人のプロデューサー、バーバラ・ブロッコリの方が元々クレイグのボンド就任を推していたと話しました。また、スタジオ側はボンド役候補者リストを作って、イオン側へ提出するのだそうで、それには非常に多くの俳優名が載っているようです。

007映画の監督に求めるものとしては、良いストーリーを伝える力と俳優とうまくやっていける能力が必要で、アクションの経験は重要ではないとのこと。監督にファイナル・カットの権限を与えるのは前向きではないようです。

ソニーがケヴィン・マクローリーと組んで独自の007シリーズ製作を計画した際は、唯一の証人として製作差し止め訴訟に参加。雇った弁護士の数は41人にも及んだそうです。和解の結果、MGM側が『007/カジノ・ロワイヤル』の権利をソニー側から取得。

そして、ピアース・ブロスナンを「解雇」することになった経緯も明かしています。脚本家が新作の台本執筆を始めていた頃、ブロスナンはエージェントを替えたそうで、イオン・プロ側はこの新エージェントとトラブルに。マイケル・G・ウィルソン氏は文字通り、頭を抱える事態になっていたそうです。そしてもう一人のプロデューサー、バーバラ・ブロッコリ氏からどうしたいかと訊かれたので、「最初から全部やり直したい。『カジノ・ロワイヤル』を作って全てを一掃したい」と返答。ブロッコリ氏も同様に考えていたそうで、ソニー・ピクチャーズのエイミー・パスカル氏を説得。Qやマネーペニーが登場しないことには驚いたそうですが、製作には協力的だったとのこと。

ティモシー・ダルトンがウィルソン氏に語ったという逸話も披露。ダルトンがボンド役を引き受けた際、単に数ある仕事の一つだと割り切っていたそうですが、ボンド役就任の記者会見が開かれると、ダルトンの名は一躍有名に。ロンドンの自宅近所にあるビデオ・ショップに行くのが習慣だった彼はある日、セクシー系ビデオを選んでカウンターに持っていったところ、女性店員から「あなたが新しいジェームズ・ボンドね」と言われたので、棚に戻したのだそう。これがダルトンがジェームズ・ボンド役を引き受けて人生が変わった事を思い知らされた瞬間だったようです。

ワーナー・ブラザース MGMと007映画の製作・配給権の交渉中

Deadline(2015年10月30日付)によると、ワーナー・ブラザースはMGMと007映画の製作・劇場配給の交渉を開始したようです。

映画007シリーズの著作権は、ブロッコリ・ファミリーの会社Danjaqと映画スタジオのMGMが共同保有。MGMがかつてメジャーと呼ばれ体力のあった時代は自社単独で007映画の製作・配給を行ってきましたが(海外配給はUIPやFOX等へ委託)、2006年の『007/カジノ・ロワイヤル』から最新作『007/スペクター』まではソニー・ピクチャーズと契約、2社が共同で製作・配給をすることに。

しかし、MGMとソニーとの契約は『007/スペクター』をもって終了。007シリーズの製作・配給はどのメジャー・スタジオも狙っているとされています。ワーナー・ブラザース・エンターテイメントのケヴィン・ツジハラ会長はMGMのゲーリー・バーバー会長と既にホテルで会合、具体的な金額を含めた交渉を始めている模様です。この両者は個人的に良好的な関係にあるようで、ワーナーは競合他社よりもリード。

一方、ソニー・ピクチャーズも契約更新を諦めていないようですが、007映画に熱心だったエイミー・パスカルが共同会長職を退き、後任に財務状況に厳しい目を持つとされるトム・ロスマンが就任したことから、ソニーの形勢は不利と見られているようです。